<< ご無沙汰しておりました!! | main | チャンジャさんは名探偵。の巻 >>
猫は「モノ」ですか?
今月は10月、ロシアン娘こと七味さんの予防接種月間です。
ということで、先日行って参りました。
昨年同様、チャンジャさんおひとりを残していくのも忍びないので
つきそいの方として、ご同行いただくことに。





・・・・とっても不機嫌そうですね、付き添ってるだけなのに


チャンジャさんは、キャリーに入る=獣医さんに行く可能性大
という構図を認識しているようなので
ついついこんな顔になってしまうようです。
それにくらべ、七味さんの余裕な表情ったら。


七味さんの体重は、3.8キロ。
相変わらずの現状維持でした。 ううう、ダイエットさせてるのに!!
骨格の細い彼女にとって、この体重の意味するところは
すなわち内臓脂肪の多さ・・・。
最近七味さんが飽きてきていたので、変えていたのですが
そろそろ低炭水化物のイノーバエボ様頼みをしないといけないかもしれません。
このフードでしかスリムになれないんだよなぁ。


さて、本日はタイトルどおり。
猫は「モノ」ですか? というお話をさせてください。

もしあなたの愛するネコが、病気になってしまい、
ペットクリニックに治療をお願いしたものの
残念ながら治療の甲斐なく、亡くなってしまったとします。
それが、あなたの目から見て、明らかに獣医師の治療ミスと思えた場合。
人間で言うところの、医療過誤と同じですよね。


あなたなら、どうしますか?


私は法律事務所に勤めているのですが
このところ、立て続けに「ペットに関する相談」が舞い込みました。
守秘義務があるため、詳しいことを申し上げる事はできませんが
一様に「治療ミスを犯した獣医師を訴えたい」ということでした。

涙ながらに、当時の状況を切々と訴える飼い主さんの様子を拝見していて
同席していた私は、同じく涙が出そうになるくらい(勤務中なので堪えましたが)
本当に、本当にお辛かったんだろうなというお気持ちを察しました。


愛するわが子の、無念をはらしたい!
きちんと獣医師に謝罪して欲しい!


みなさま、そのような思いでいらっしゃったのだと思います。
当然ですよね。


人間の医療過誤のときも同様ですが
亡くなった方はもう戻ってきてはくれないので(悲しいことです)
訴訟のときに相手に求めるものは、具体的には
「損害賠償」と「慰謝料」という名の金銭になります。
では、愛するネコのときはどうなるのか。

自分にとって、愛するわが子であるネコも
法的判断によると、「モノ」扱いということになってしまうのです
つまり、ネコは「動産」だと。
命あるものなのに、いとおしい存在なのに
愛猫の治療ミスによる死は、物的損害という判断がくだります。


交通事故に遭って、現在20万円の価値のある愛車が壊れてしまった。


多くの場合、これとほぼ同じ判断ということになるのです。
20万円の価値の車を200万円かけて修理しても、20万円しか保証されない。

獣医療過誤の際も、これと同じ発想が裁判所の根本にはあると思われますので
損害賠償金の多くは、「購入時の値段」といったことにとどまるかと思います。
判例の中では、入賞経験のあるショーキャットであることを理由に
経済的価値を認め、購入時の値段以上の損害賠償金を認めたものもありますが
これは本当にきわめて異例です。

慰謝料の算定も、人間のそれと比べ、さらに厳しいものとなることが予想されます。
最近の判例で、糖尿病に罹患した愛犬に対する治療ミスで
「10年子供のように可愛がってきた」という理由から
慰謝料を60万円と算定した判例もありましたが、これもきわめて異例です。


獣医療過誤の訴訟において、飼い主さんの望むような結果が出ることはまずありません。
「愛猫の無念をはらすため!」「お金の問題じゃない!」
と思いながらも、訴訟費用は相当かさんでいきます。


まず、引き受けてくれる弁護士を探すのにご苦労されることと思います。
見つかったとして、弁護士費用。着手金と報酬金の2本立てです。
相手に請求する金員(金銭)次第で決まりますが
良心的な弁護士といえども、ここですでに数十万円以上がかかるでしょう。
(高額なところは推して知るべし)

さらに裁判所に納めるお金もバカになりません。
そして、獣医療過誤訴訟においては、必要な証拠、他の獣医師の意見などは
飼い主さん本人による収集・聴取が求められるので
これにも相当な費用と時間が費やされることとなるのです。
(多くの獣医さんは無料で意見を述べてはくれないようです)


そして、その努力の結果、得られる多くは上記に述べたとおりです。
「結果が気に入らない、控訴したい!」と思ったなら
最初の訴訟以上の金額を用意しなければならなくなることでしょう。


これらすべてを説明してさせていただいたあとの
実情を知った飼い主さんたちのお顔を拝見するのが、とてもつらかったです。
どうにかして差し上げたいのに、どうにもしてあげられない。
そんな自分がとても不甲斐なく感じました。
愛猫をモノ扱いする現実をつきつけられて、いきどおりを感じていらっしゃる。
私もまったく同じように感じています!
でも、法律を学んできた者として、法律事務所に勤め法律に携わる者のはしくれとして
物分りのいいふりをしなくてはなりません。
ごめんなさい、力になれなくて本当にごめんなさい。


私は正直、自分が飼い主さんと同じ立場になったとき
訴訟をしてあげられるかどうか、自信がありません。
「お金の問題じゃない!」と思いつつも
自分たちがこれらの費用を余裕で捻出できる経済状態にないのもわかっているから。

「お金の問題じゃないとか言ったくせに、結局お金の問題じゃん!」

と、私は自己嫌悪になっています。


ペットと共存していく人々が増えた現在の日本において
このような悩みを抱える人々も、同じように増加しているのです。
どうにか、ペットの法的地位が向上していきますようにと
願わずにはいられません。


(長くてまとまらない文章、最後までお読みいただきありがとうございました)

| ネコに関する話 | 11:32 | comments(9) | - | - | - |
私も以前、ペット(←飼猫の表現としてこの単語は正直
あまり好きではないのですが・・・)というのは法律上
モノ扱いとういのを知り、驚いた一人です。
そこには確かに命が存在するのに、人間以外の命は「物損」として扱われる。
法律を作った人間が動物等をペットとして我が家族同然として
一緒に暮らしていたのなら違う法律が生まれたかも知れません。
心の痛みの代償を何に換えるのが妥当なのでしょう・・・
となるとお金に換えること以外思い当たらないというのが
今のニッポンでは一般的なのでしょう。
海外の色んな判決理由なども取り入れる柔軟性が
この国にあれば、色んな選択肢が増えるかも知れませんね。
誰もお金をもらってチャラにするとか解決したとは
決して思わないでしょう。
お金の問題より、失われた命が、失われる前に戻りたいと望むでしょう。
戻ることが出来たなら自分自身も悲しい気持ちにならないし
いつもの変わらぬ日常がそこにあるでしょう。
決して法律事務所の方々が力不足なのではありません。
今の時代に合わない法を変えよう!というパワーある方が
現れることを願います。
| 2スコママ | 2007/10/12 10:29 PM |

やあ!久々。

どーなのかなぁ。法律というより
医療の問題なんじゃないかなぁ、
という気がするよ。ここで書くと反感
買うかもしれないけど、「モノ」という
法律上の扱いは妥当だと思うよ。
話題それるかもしれないけど、ペットに
多額の財産残したりする人いるじゃない?
法律で動物を「モノ」扱いしなくなったら、
そういう意味不明(だと私は思ってるけど)が
横行する気がするよ。家畜とペットとどう違うのか
とかいう定義から組み立てなきゃいけないだろうし。

むしろ、動物愛護の観点から、
獣医師協会の意識向上とか
そーゆー運動に力を入れるべきなのかも。
なんか、そーゆー活動ないの?
| しゅがあ | 2007/10/13 5:17 AM |

わ〜凄い難しい問題ですね、確かにその獣医にミスがあったのなら、何らかの制裁?は受けるべきと思いますが、
それが法律の場に持ち込むとなると、お金の問題?になってしまう事に憤りを感じます。
法律的に何も出来ないなら、何か社会的制裁が出来れば、その残された家族の方は満足するのですか?
その獣医さんにペットの事を全て任せる事が出来うる獣医でしたか?
状況がよく判りませんが、緊急な措置でのミスなら獣医の責任でしょう、でも、時間がある治療なら、ミスをした獣医以外のセカンドオピニオンを探しましたか?
お話では判断出来ないませんが探さないで一人の獣医に任せていたなら、その飼い主にも落ち度があったのでは?
これは決して、獣医を弁護しているのではなく、自分の経験からの発言です。(的を得ていないかも知れませんが)
確かに家族同然に育ててきた可愛いペットが医療ミスで死ぬと言うのは、大変辛い事と思いますが、その子にどれだけ、自分自身が為てやれた下が問題なのでは?このお話だけだと、飼い主さんの事には触れていないので判りかねますが。
私なら法律の場には持ち込みたく無いし、持ち込んでもその子は帰らないし、たとえ自分自身が満足する結果が出ても、それは、その子の為になるのでしょうか?との疑問の方が大きくなると思います。
これは決して泣き寝入りでなく、お金の問題でもなく、僕個人の意見です。
このミスが人間に対してのミスだったら別の方法があるかも知れませんがね、他の方はどう思われますかね?

思っている事上手く表現できないですみません。

ただ、ペットが法律の解釈で「物」扱いされると言うことの方がビックリしました。勉強不足でした。
| ねこ大好き | 2007/10/13 6:01 AM |

2にゃんで、キャリーに一緒にはいっちゃって、
なんだか仲良しさん♪
チャンジャちゃん、今日は注射されなくて、よかったね(^^

私も、テレビの番組(法律相談所だったかなぁ..)で同じような事例をみて、えええ〜!!!
なんだかなぁ...って微妙な気持ちになりました。
ペットと暮らす人もふえて、
昔とかちょっと違ってきてる気もするし、
こういう法律とかも、ちょっとづつ変わってくるといいなぁ。
| ふわふわ | 2007/10/13 10:56 AM |

猫は物ではありませんが、器物損壊+慰謝料ぐらいですね。弁護士を立てずに少額訴訟をすれば・・・相手の欠席裁判にでもなれば、こっちのものですよね。
カルテが開示されればよいのですが、カルテは誰の物かって問題がありましたね。患者のものってなっていたような・・・。

まあ、賢い飼い主になって、セカンドオピニオンをとって、本猫も飼い主も納得のいく治療をうけられるのが一番なんでしょうけどね。私もセカンドオピニオンをとりたかったな〜。
| ねこ | 2007/10/13 8:46 PM |

付き添いの方って・・・どんだけ人がいいんでしょう。
裁判のことはいいたいこともあるけど、両方の意見を聞いてないからここでは黙っちょります。
ただ、その子の存在、命がどれだけ大切だったかだけは
わかって欲しいよね。
どこの親御さんもわが子に全力投球、生活の一部じゃなくて、全部傾けちゃうよね。
心が癒えることは無いと思うけど、少しでも早く穏やかな今まで通りの生活に近づけるようになって欲しいね。
| 茶葉ママ | 2007/10/14 10:02 AM |

たいへんご無沙汰しております。

ちょっと話がズレちゃうのかもしれませんが、亡くなったデコちゃんが、
腎不全で闘病していたとき、入院・毎日の点滴・一日おきの点滴となってしまい
月に数十万円もの費用がかかり、またそれがいつまで続くのか不安でした。
でも治療が停止=死なんですよね。そのときに、周囲の人達に、ずいぶんと
酷いことを言われたものです。

・猫ごときにそんな大金かけるなんて‥。
・しょせん猫だよ、人間じゃないんだから、畜生だよ。

とても傷つきました。怒りというより泣けてきましたよ。
でも、ワタシは数ヶ月あきらめることなく治療を続け、看取ってあげました。
その時に思ったんです。ワタシにとって自分と同じぐらい大切な存在でも、
他の人にとっては、たいして重要ではないんだと‥。
今回の問題はそれに近いものを感じました。
もちろんペットの法的地位の向上を願うばかりですが、現時点では、飼い主さんにも
そういう扱いを受けるものだという自覚・覚悟のもとに獣医師選び、治療方針
などにも目を光らせる必要があるかな‥と思います。

去る者は、必ず何かを残していきます。飼い主さんがそれに気付き、少しでも
穏やかな日々を送れますようにと願っています。



| kumakoro | 2007/10/26 12:56 PM |

ササさん、元気そうで安心しました。

このブログの内容があまりにも他人事と思えなかったので、コメントさせていただきます。

多分、訴えた飼い主さんは慰謝料を取りたいのではなく、獣医師がどのような気持ちで診断をしたのか、そしてまた、誤診をしていたのなら非を認めて謝罪を述べて欲しいから訴えるのですよね。裁判など起こさずとも、獣医師が心から謝罪してくれれば、飼い主も救われるんでしょうけどね。
飼い主にとっては大事な家族でも、関係のない他人からしたら「物」でしかないなんて、あまりにも惨い事実。 そういえば、ペットショップでもペットたちは「物」扱い、鉄道で移動する時も小型犬や猫などは「手荷物」扱いなのを思い出しました。
いつかペットも「物」ではなく、立派な「家族」と認められる時代が来る事を願うばかりです・・・。
| ぺか | 2007/11/04 2:34 AM |

>みなさま

さまざまなご意見ご感想、ありがとうございました!!
デリケートな問題ですし、どのようにお返事したらよいものかと
いろいろ悩んでいて、ここまでレスが遅れてしまいました。
ごめんなさい。
守秘義務の関係で、奥歯にモノが挟まったような言い方しか出来ず、
さらに申し訳ないのですが(むしろ取り上げた私が悪かったのかもしれません)
件の方は、しっかりセカンドオピニオンもとられていましたし
やるべきことはすべてやっていたように感じました。
明らかに獣医師のミスとそれに対するごまかしも感じました。
人間の医療と同様、カルテも存在しているのですが
獣医療の場合、カルテの保存状況が厳密とは言いがたく
あてになりませんでした(察してください)。

今朝も、テレビで酷い獣医師の話が取り上げられていましたが
獣医も医者も同じ命を救う役目を担っている者なのだから
もっと獣医師法を厳格に改正すべきと感じています。
動物愛護法に関しても同様です。
(動物愛護を過剰に神経質に叫ぶつもりはないのですが)
日本社会におけるペット(人間と暮らす動物全般を称して呼んでいます)を
とりまく環境が従前と大きく変化している現在
それにアップデートしている法律はやはり必要と思う次第です。
(ダメだ言いたいことが多すぎてまとまってない^^;)
| ササ | 2007/11/06 5:56 PM |










     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>
+ PROFILE
+ SELECTED ENTRIES
+ RECOMMEND
ねこブログ
ねこブログ (JUGEMレビュー »)

12ブログの1つとして、ゾロ目兄妹たちが10Pほどですが掲載されております。
+ RECENT COMMENTS
+ RECENT TRACKBACK
+ categories
+ archives
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ OTHERS




このページの先頭へ